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My 4cat & Drinkin muddy water

反芻ネタを仕入れることができた

9月1日5時40分起床。
街と、その不確かな壁」読了。
村上春樹氏の小説は、いつも心に澱を残してくれる。
友人が貸してくれた群像の「風の歌を聴け」を読んでからずっと。
澱は何かの拍子に日常に浮かび上がり、牛のように何度も反芻してしまう違和感。
それでも最近はそれほど熱心な読者ではなく、「騎士団殺し」は未だ読んでいない。
愛読書であった「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」とどう違うのか。
反芻する力が50代終盤の自分に残っているのか。

「世界の終わり~」のスピード感は消え、淡々とその世界の日常は進んでいく。
それが30代の頃と70代になってに書かれた小説の違いだろうか。
主人公の他者との距離を置いた丁寧な暮らしはいつもの通りだ。
ひだのような小さな変化を何度も何度も書き連ねていくことによって、違和感は頭の中で肥大化していく。

「壁」は普遍だが可変する。
いい加減な記憶だが、「世界の終わり~」は可変していただろうか。
もう一度、折を見て読み返そう。

「壁」は誰にでもある。
そこに「壁」があることを自分が認識するから「壁」は存在する。
「壁は自分自身だ」と岡本太郎氏は言った。
意識ある生を続ける限り、「壁」は乗り越えても、また次がある。
春樹氏の有名なスピーチ「その壁は名前を持っています。それは「システム」と呼ばれています。」
自分の行く手を阻む「システム」とは何か。
しばらく反芻し続けるのだろう。

夕飯は近所の洋食屋で白ワインと周年記念の一口ステーキ、前菜。
19時には帰宅したが、読む本がなく、勉強する気も起らず、ただただTVを傍観していた。