夕暮れの田舎道を大きな段ボールの箱を抱えながら、妻と歩いている。
箱はC式と呼ばれる、蓋と身(本体)が分かれている、かぶせ型やお弁当箱タイプでの蓋側のみを持っていて、中身は空である。
足下がやっと見えるくらいの大きさだが、折り畳んではいない。
前に踏切がある。
何台かの自転車が僕らを追い越していく。
つまづがないよう、足元に気をつけて、踏切を渡る。
ここから家は近い。
妻に、自分たちの部屋に上がる際に、一階のゴミ置き場に段ボールを捨ててよいかを尋ねる。
家にある下側の段ボールにはまだ物が入っているからダメよ、と妻は答える。
やれやれと僕は思う。